あれほどたくさんいた虫たちは、いったいどこへいってしまったのかと感じる冬。時々訪れるポカポカ陽気の日に、白い紙が飛んでいるのではと思うチョウを見ることがあります。この白はとても目立ち、名前をウラギンシジミといいます。羽の裏が銀色という意味ですが、私には白っぽく見えます。大井町の人家の周辺や、林の縁などの葉につかまって冬を耐え忍びます。
モンシロチョウほどではありませんが、どこにでもいるチョウで、幼虫はあちこちに繁茂しているクズや公園などにあるフジの花を食べて成長します。
卵はとても美しく芸術的な模様をしていて、これほどまでのデザインがなぜ必要なのかと不思議な感じがします。
これから長い冬を、低温と乾燥に耐えて、たった一ぴきで生き抜いていかねばなりませんが、春を迎えて、元気に飛ぶ姿をまた見せてほしいものだなと思います。
酒井 春彦(中井町立井ノ口小学校教諭)
ウラギンシジミ
ウラギンシジミの卵