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五感のささやき 2013年度

印刷用ページを表示する更新日:2017年10月23日更新

平成26年3月3日 パワースポットでのひな祭り

 日本列島各地で雪にみまわれ、大混乱を招いた二月であったが、蓬は芽吹き、陽だまりには早くもふきのとうが頭をもたげてきた。
『春だ』。
 各地から「桃の節供(せっく)」の便りがあり、足柄平野でも南足柄市の「森のひな祭り」、開成町の「瀬戸屋敷のひな祭り」、我が大井町では「お山のひな祭り」と銘(めい)をうって開催している。
 わが町の「お山のひな祭り」は、「いこいの村あしがら」の前にある「大井町郷土資料館」を中核会場として、40組のお雛(ひな)様が飾られている。
「桃の節供(せっく)」も「端午(たんご)の節供(せっく)」も生まれてきた子どもの健やかな成長を願っての身祝いである。
 大井町での会場は、西に世界遺産となった富士山や箱根連山、北に丹沢連邦、南に相模灘、東に京浜地区から首都東京を望み、天気がよければスカイツリーの眺望も出来る景勝の地である。そして江戸城と小田原城、曹洞宗の大本山鶴見の総持寺と同じく別格本山である大雄山最乗寺を直線で繋ぐ地点にあり、「パワースポット」である。
 このような所での「雛(ひな)祭り」は、更なる運気を盛り上げるのではないかと思う。子どもたちが健やかに逞あ(たくま)しく成長してくれることを願う。

平成26年2月5日 暦で動く

過ぎ行く暦(こよみ)は速いものであり、新年を迎え慌(あわただ)しい正月行事を終えると早くも「立春」となった。カレンダー(暦)の「六輝(ろっき)」(「六曜(ろくよう)」)と照らしながら「大安」の日を撰(えら)んでお祝い事やお見舞いをする。
 水稲(すいとう)栽培を基(もとい)とした農耕民族である私たちは、春夏秋冬四季の移ろいを大切にしてきた。そんなことから一年を「立春」から「大寒」まで24等分した「二十四節気(にじゅうしせっき)」と、細やかな季節の移ろいを「旧暦」に取り入れ、72等分した「七十二候(しちじゅうにこう)」がある。
 我が国の暦の原点は、「農事暦」であって、「二十四節気」は気温や気象の変化と、それに伴う農作業の指針を説いている。「七十二候」は花鳥風月などの自然現象に眼差(まなざ)しを向けて、細かな気象状況を掌握(しょうあく)し、農作業進行目安とした、生きとし生けるものの息吹(いぶき)に満ちた暦であった。
 日本の民族信仰である「神道」もまた、「神嘗祭(かんなめさい)」や「新嘗祭(にいなめさい)」に通じるように稲作を中心としたものであり、「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」を祈願して成り立つものである。また、暦も一年の豊作を望み365日を刻んだものであろう。

今年もカレンダーに追われての一年だろうが、ゆったりと自然にふれ、豊かな一年にしたいものである。

平成26年1月6日 新年のごあいさつ

午寿 新年明けましておめでとうございます。
 今年は、消費税増税という大きな課題はあるものの、日本経済再生の歩みは着実に進むと考えます。昨年末バブル崩壊後20年間続いた生命保険会社の逆ざやが解消したことは、アベノミクスによる様々な変動と合わせて長年の閉塞感から抜け出したという安堵感と希望に包まれました。気分だけでなく真に実態としての成長を期待するところであり、我々もできることに全力を傾けてこの流れを大きな流れにしなければと改めて覚悟するものであります。
 国外に目を向けると相変わらず紛争とテロは各地で起きていて悲惨なニュースが絶えることがありません。日本を取り巻く脅威もなかなか改善する様相を見せません。領土問題は国民の安全と独立に係わる根幹をなすものです。国の確固たる外交政策により平和的に解決されることを期待するものであります。
 一方、町の中に目を向けると、長年建設促進に力を入れてまいりました都市計画道路和田河原・開成・大井線に架かる酒匂川2号橋(仮称)が「足柄紫水大橋」と命名され3月にはいよいよ開通式を迎えます。今後も国道255号までの延伸に努力してまいります。そして、3年をかけて実施する湘光中学校の大規模改修事業は2年目に入ります。また、本年3月末には下山田町有地内に他の市町村に先がけて大規模太陽光発電所が操業を開始します。発電規模は2メガワット、事業主の公募により「きらめきの丘おおい」という愛称が付けられました。さらには、他の民間事業者により平成27年3月操業開始を目標に篠窪地内に県内最大級となる13メガワットの大規模太陽光発電所「足柄ソーラーウェイ」の建設が着工されます。
 今年の私の信条は「上善如水」といたしました。「じょうぜんみずのごとし」と読みますが、水は全ての物に恩恵を与えながら謙虚であり、いざという時には岩をも砕く強いエネルギーを秘めています。私も町もこの言葉を胸に、着実に前進することを目標に更に努力を続けてまいります。
 今年も皆々様にとって良い年になりますよう心からお祈り申し上げて新年のご挨拶といたします。

平成25年12月3日 師走

 いよいよ年の瀬12月、1年の締めくくりの月を迎えた。振り返ってみると、国内・外において台風や豪雨による災害の多い年であった。台風による大島での土石流災害やフィリピンでの被害は記憶に新しい。しかし、福島原発事故の後遺症が続くなかで、富士山の「世界自然遺産」への登録や、2020年「東京夏季オリンピック・パラリンピック」の決定、アベノミクス効果など明るさを取り戻した年でもあった。町内においてはメガソーラーの建設が始まり、将来は大井町の全世帯の約65パーセントに供給できる電力に匹敵し、スマートタウンのスタートになると考える。
師走を迎え急にあわただしくなった。師走とは、昔年末になると各家庭で僧侶を迎え仏名会(ぶっみょうえ)《その年の罪障(ざいしょう)を懺悔(ざんげ)し消滅を祈る法会》を営んだので、僧侶が東奔西走するところからとの説と、「為終(しわ)の月」「歳終(しわ)の月」であるからといわれている。
今年もあとわずかとなったが、交通事故や火災の多い季節でもあり、細心の注意を払い穏やかに新年を迎えることができればと願うものである。
 新年が最良の年になることを祈念いたします。

平成25年11月7日 秋深まる

 この秋は、先月を振り返ると、前半は残暑が続き、後半は台風が次々と到来し、秋晴れのすっきりした日が少なく、台風の多い秋であった。大型台風26号は伊豆大島に大量の雨を降らせ、土や石を押し流し、大きな傷跡を残していった。
続く台風27、28号のアベック台風は、26号よりさらに大型で、早くから監視され、注意が促された。大井町では早くから警戒体制に入っていた。しかし、古老の説による「富士山に雪が積もれば台風は来ない」の言葉の通り、19日の富士山の初冠雪後、太洋上で熱帯低気圧となり去って行き、胸をなでおろした10月末であった。
月は替わり11月に入ると、朝晩の冷え込みを感じ、木々は日ごとに紅葉し、山のミカンが色づき、食味をそそられる。身体も軽快に動き、気力も増してくるようである。全てが充実するような気持ちになり、「良い季節だな」との思いを強くする。
今日の暦は「霜降」、木枯らし吹く冬支度の時期であり、また風邪に も気を付けなければならない季節でもある。

平成25年10月3日 名月に魅入る

 大型台風18号が、発達しながら関東・東海方面に進路をとり、敬老の日の連休にかけて上陸が予想された。大井町では一足早く9月14日に「敬老のつどい」を予定しており、台風が接近する前の秋晴れの中で開催できホッと胸をなでおろした。
その台風が過ぎ去ると急に朝晩が涼しくなり、虫の鳴き声も一段と元気に美しく聞こえてくる。暦は二十四節気の「白露(はくろ)」であり、秋真っ只中、コンバインが行き交い収穫作業がおおわらわである。
十五夜の19日夕飯を食べ終わり、外に椅子を持ち出し、虫の声を楽しみながら観月と洒落込んでみた。東の空から煌煌(こうこう)と照る月、見事な「中秋の名月」に見とれていると、南の空に飛んでいく流れ星、突然の事とあまりの速さで願い事を忘れてしまい・・・ちょっと残念であった。

 窓から差し込む青白いやわらかな月の光が、秋の深まりを伝えてくるようであった。

平成25年9月2日 癒しの秋

 今年の8月は、最高気温を更新し記録的な酷暑が続き、我が家でもクーラーのスイッチをONにする日が例年より多かった。雨は降らないのに湿度が高く、不快感が極限を超えたからだ。
そんな暑さをやわらげてくれたのは、打ち水や木々・草花であった。日よけに植えたひょうたんや夕顔はもとより、何種類かのギボシやスイレン、特に涼しさを感じさせてくれるのが「秋海棠(しゅうかいどう)」である。半日陰を好み控えめな趣が、涼気を醸し出すのだろうか。
我が家の庭では七月から咲き始め十月上旬まで咲き続けている。秋海棠はバラ科のカイドウとはゆかりはなく、ベコニアの類であり、秋の鳥である「雀」と描かれる日本画を幾つか目にしたことがある。

 暦は九月「長月」まだまだ残暑は強烈だが、秋の夜長、名月眺めながら鈴虫やこおろぎの囀(さえず)りを楽しみ、ススキや桔梗(ききょう)、萩や酔芙蓉(すいふよう)の花々を愛でて、山海秋の味覚を秋風の中で楽しみ、厳暑で疲れた身体を癒(いや)す季節である。

平成25年8月7日 佐渡島に学ぶ

 今から30年前になるであろうか、作家の永六輔氏や野坂昭如氏らが中心となり、「佐渡島独立運動」がテレビなどのマスコミを通して発せられた。「日本の離島で唯一自給自足ができ、文化と歴史が豊かである」というのがその説であり、当時の私も永六輔氏の講演を聴く機会があった。
7月末に、夏季休暇を利用し、佐渡の相川出身の方の案内で視察に訪れた。天気は荒れる予報であったが、霧雨の直江津港を発ち、2時間半ほどの船旅を経て着いた小木港には薄日が差してきた。
 まずは、佐渡で唯一のゴルフ場である「ときの郷ゴルフクラブ」でゴルフに興じた。夕方になるとトキの群れが飛ぶ姿をここから観ることができると聞いていたが、残念ながら観ることはできなかった。
 2日目は、佐渡の漁業の歴史と漁獲高を支える姫津漁港に行き、漁業の水野氏のイカ釣り船でイカ釣り漁の擬似体験と尖閣湾見物をした。一晩のイカ釣り漁の集魚灯の発電にドラム缶3本の軽油を消費するため、円安による軽油の値上げは、経営に大きく響くのだとの説明であった。
昼食には、水野氏宅での十数品におよぶイカ尽くし料理をご馳走になった。なかでも佐渡米のイカ飯の美味しかったこと・・・
 午後からは、住職であり郷土史家である高校教師の斉藤氏を講師に、1時間半をかけ佐渡金山の栄華の歴史を、雑草に埋もれた現場まで散策をしながら、「世界歴史遺産」登録に向けての説明をしていただいた。金山が開発され、江戸や京都など各地から多くの人々が集まり、商業から仏教にいたるまで多くの繁栄と文化が育ったそうである。
 最後の日には、「トキの森公園」でトキに会うことができたが、大空を舞うトキの姿を観ることができず残念であった。佐渡の自然と歴史と文化そして美味を堪能することができ、とても有意義な視察であった。

平成25年7月3日 富士山世界遺産登録

 富士山が三保の松原とともに6月22日(土曜日)に世界遺産に登録された。翌23日、時間があったのでゴルフに出かけた。同伴競技者のお2人は、富士山が世界遺産に登録されたので、富士山を見たくてコースを訪れ、子どもたちは富士山5合目に、記念ドライブに行ったと話された。7月1日に富士山の山開きとなると登山者の長蛇の列でき、富士山フィーバーが始まった。
 富士山は世界でも姿の美しい山として外国人からの憧れの山であり、日本の象徴である。北は「利尻富士」、南は「薩摩富士」と、各地で富士山に似た山を讃(たた)え、愛称としているものが全国で17山ほどあると聞く。富士山を望めるところから、「富士見坂」「富士見台」「富士見橋」などの、地名や名称にも多く使われているところである。
 大井町においても、源頼朝が富士の巻き狩りの帰路に休憩し、富士山を暫(しば)し眺めたといわれる「富士見塚」がある。わが町からの富士山の眺めは、町内どこからでも美しい姿を見ることができる。そのような所以(ゆえん)から国土交通省の「関東の富士見百景」にひょうたん池からの眺望が登録された。
 このたびの富士山の世界遺産登録は大きな喜びである。しかし、観光や商業ベースに巻き込まれず、富士山自体の保全や環境を保護できるような方策を講じて欲しいと願うのである。
 毎日気高い富士を仰ぎ見ながら、富士山の「気」を浴びて生活できることに感謝している。

平成25年6月6日 衣替え

 6月に入る候のことばに「衣替え」があり、9月末までは夏の装いをし、10月から5月までは冬の装いをする。制服を着ていた学生の頃は、一斉に「衣替え」がされ、大人になった今よりメリハリがあり、季節の変わり目に敏感であったように思う。
 大井町では、平成11年に六月から9月末までの間、仕事に支障の無い範囲で「ノーネクタイ」での執務とした。併せて金曜日は「カジュアルデー」とし、軽装での執務を実施している。国は大井町から遅れること7年、5月から9月末までの期間を、暑さをしのぐ服装「クールビズ」を推奨している。
沖縄を除けば五月中はネクタイを着用していても、それほど暑さで支障をきたすことはないと思う。男性用スーツはスリーシーズン着用できるものもあり、少しの工夫で5月は乗り越えることができると思う。
 四季の変化の美しさによって醸成される「季」や「候」は、短歌・俳句や手紙、そして年中行事など生活から断ちがたいものである。わが日本国民が具える「しなやかさ」は、そんな中から備わってきたと思われる。そんな事柄を含めて「クールビズ」であって欲しいものである。

平成25年5月7日 豊作を願う

今年の3月は平年より気温が高かったが、4月に入ると気温の低い日が続いた。ゴールデンウィークに入っても肌寒い日が続き、北国から雪の便りがあった。「端午の節句」5月5日は、「こどもの日」の祝日にふさわしい快晴であり、「二十四節気」の「立夏」でもある。寒暖計の水銀柱はようやく平年並みの高さを示した。
 そんな日和のなかで、「上大井鯉(こい)のぼり祭り」が開催された。日ごとに色濃くなる木々の緑、まばゆいばかりの青空の中、初夏の風をものとせずに飛び交うツバメの姿を背景に、水が満ち満ちと流れる川面を抜けていく爽やかな風を受けて舞い上がる鯉のぼりを見ていると、活力が貼り漲(みなぎ)り元気の源となる。
 この祭は、今年で6年目を迎えたと聞いたが、もっと長く続いているように感じた。田んぼを流れる農業用水路の地域みんなの手で環境整備と水路を守ろうとのことから始まっている。
 端午の節句の「鯉(こい)のぼり」の風習は。滝を登って龍(りゅう)になるという鯉(こい)の逸話にちなんで、男の子が立身出世を願うものであるが、併せて地域の「豊作」も願っての祭であろう。
今年も農業用水路が安全に管理され、穏やかで豊作を願う。

平成25年4月3日 田打ち桜

 例年、春の訪れは「三寒四温(さんかんしおん)」でやって来るが、今年は厳冬から一揆(いっき)に春を迎え、初夏のような気温となり、一斉(いっせい)に春の花々が咲き誇ることとなった。
 春の訪れを告げる代表の花は、桃・桜であるが、無数の白い花で人目を惹(ひ)く「辛夷(コブシ)」も春を告げる花である。辛夷(コブシ)は本州の各地の里地・里山に広く分布し、20メートルに達する高木で、花が咲くと里山の中に際立つのである。「田打ち桜」とも呼ばれ、辛夷(コブシ)の花が咲くのを目安に農作業を始める地方も多く、人里の生活に密着した樹木である。
白樺 青空 南風
こぶし咲くあの丘 北国の
ああ 北国のはる
町内では、ブルックスの台上や「おおいゆめの里」に巨木があり、今年も沢山の花を咲かせた。花の美しさも然(しか)ることながら、大きく枝を広げる大木はドッシリと安定感を漂わせ、見守ってくれているようである。

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