エビとは言っても、ミジンコの仲間に近く、体長は2cm程。脚を上にしてゆったりと泳ぐ姿は、優雅そのものです。
本種は初夏に田んぼで発生し、1カ月余りで短い一生を終えます。その間に産み出された卵は土中で越冬し、次の年田んぼに水が入ると孵化(ふか)し、成長していきます。
大井町では金手、金子や西大井の限られた田んぼに出現します。出現するのは、水温が高いだけでなく、代かき前後に強い肥料や除草剤、農薬を使わない田んぼであるという報告があります。昔から大量発生する年は、気温が上昇して豊作になると言われています。ホウネンエビは環境指標としての役割も期待されているのです。
一寸木 肇(おおい自然園園長)
脚を上にして泳ぐ
雌は淡緑色(あるいは淡褐色)の卵嚢(らんのう、卵の入った袋)をもつ