春の野草ベストテンに名前を連ねることは間違いないくらい、あちこちで目にします。花は一つ一つ独立しているので、同じマメ科のレンゲ(ゲンゲ)とはまた違った趣を持っています。
観察していると、アリが茎や葉を行ったり来たりしています。目を凝らすと、小さな葉(托葉)の付け根にある黒褐色のところに、頭を擦り付けているように見えます。この場所は、「花外蜜腺」と呼ばれるところで、アリたちは蜜を求めてやってきたのです。
アリが来ることで、カラスノエンドウは葉を食べたり、産卵したりする虫たちを近寄らせないという、いわばガードマンの役目をアリに担わせていると考えられています。
一寸木 肇(おおい自然園園長)
アリが行き来するカラスノエンドウ
花外蜜腺に来たアリ