坊村の神明社には、大きなカヤの木が何本かあり、10月になると、カヤの実がたくさん落ちます。果皮は黒くなって自然にむけ、どんぐり大で一見アーモンドのような種子が出てきます。
近くのイチョウの枝から「コツ、コツ」…「コツ、コツ」と音がします。そっと双眼鏡で覗(のぞ)くと、ヤマガラがカヤの種子を足で押さえ、くちばしで割って中身を食べています。ヤマガラが飛び去った後、枝の下を探すと、カヤの種子や落花生の殻が見つかりました。落花生は、収穫し残した畑から運び、ここで食べたのでしょう。
ヤマガラは、カケス同様、木の実を貯蔵します。そこから芽を出す種子もあり、ヤマガラと樹木は持ちつ持たれつの関係です。
一寸木 肇(おおい自然園園長)
ヤマガラ(写真提供:山口喜盛さん)
ヤマガラに食べられたカヤの種子(左)と落花生(右)