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相和地区高尾七滝付近の厚い火砕流堆積物

印刷用ページを表示する更新日:2017年10月23日更新

 相和地区、高尾バス停横の沢の2百~3百m上流には、七滝があり、この付近には白っぽい厚い層でできた崖が出現してきます。この層は、下位から約70cmの厚さの降下軽石層、次に約1mの厚さの火山灰層(6月号で紹介した火山豆石を多く含む層)、上位に約3~6mの厚さの火砕流堆積物(多摩TCu-1)からできています。
 この火砕流堆積物の中には数多くの暗灰色や灰色の軽石、火山岩の岩石片などが観察できます。軽石を割ってみると中の空隙は小さく、入っている主な鉱物は斜長石、輝石、磁鉄鉱です。この火砕流堆積物は、約20数万年前の箱根火山の大噴火によって流れ出したと考えられています。箱根火山は約40万年以前に火山活動を始め、何回も火砕流を噴出してきましたが、その中でも最大規模の火砕流の一つです。なお、あと一つは、平成26年6月号で紹介した「東京軽石の火砕流」(約6万6千年前)で、二つの火砕流とも横浜市までたちしています。

中村 俊文(県立生命の星・地球博物館 学習指導員)

相和地区高尾七滝付近の厚い火砕流堆積物の画像
砕流堆積物のようす