丹沢山地の結晶質石灰岩（大理石）

河原で、白色～淡緑色、やや透明感のある岩石を見つけることがあります。これは結晶質石灰岩（けっしょうしつせっかいがん）で、大理石ともいいます。鉄釘で簡単に傷をつけることができます。岩石としては比較的柔らかいので、運ばれてくる途中で砕かれてしまいますが、河原で小さい石としてときどき見つかります。
丹沢に分布する石灰岩が、約4～5百万年前に貫入してきた花崗岩質マグマによる熱変成作用を受けて再結晶し、主に無色透明～白色の方解石が結晶した完晶質の岩石になりました。
また、特に緑色の部分の多い大理石をハンマーで割ってみると、中に褐色～黄褐色のベスブ石、黄緑色透明の透輝石、無色透明～白色の珪灰石など、多くの種類の鉱物も観察できます。このような鉱物をスカルン鉱物といいます。

中村　俊文（県立生命の星・地球博物館 学習指導員）

結晶質石灰岩（大理石）

スカルン鉱物（顕微鏡写真）