富士山(富士火山)の形をよく見たことがありますか。富士山は、なだらかできれいな円錐状の火山地形をしているといわれています。しかし、方向によっては写真のように見えます。この大きな火口は富士山の南東側の斜面にあり、宝永火口といわれ、第1~第3まであります。江戸時代の宝永4年(1707年12月16日~1708年1月1日)の16日間噴火が続き、火山灰は西風に乗って東側方面に流され、遠くは約100km離れた江戸(東京)や、さらに現在の千葉県や茨城県までたちしました。
この宝永火口から噴き出された火山灰や火山礫(スコリア)を顕微鏡で見てみると、中に黄色く透明でころっとした形の橄欖石の結晶が多く含まれています。また、河原で見られる富士山からの岩石を割ってルーペで見てみると、写真のように黄色く透明な橄欖石を見ることができます
中村 俊文(県立生命の星・地球博物館 学習指導員)
宝永火山遠景
玄武岩中の橄欖石(かんらんせき)
(黄色い結晶)