高尾バス停横の七滝に通じる沢数百m上流の崖には、おしるこのような赤紫色の火山灰の層があります。この層の中には、小さい団子のような火山豆石(写真1)を見つけることができます。粒の大きさは直径1~2cmが多いのですが、直径3cm(写真2)のものもあります。形は、球体を少し押しつぶしたようなものが見られます。断面を見てみると、中に細かい粒の火山灰(微細な火山ガラスや鉱物)の塊があり、その外側を1~2mmの厚さでさらに細かい火山灰が層状に包んでいます。
火山が噴火・爆発したとき、空中に水滴があると、水滴に火山灰が付いて固まりをつくります。その豆状の粒が地面を転がりながら、すでにたまっていたさらに細かい火山灰を周りに付着させたために、層状の殻を持ち、火山豆石になったと考えられます。
中村 俊文(県立生命の星・地球博物館 学習指導員)
写真1
火山灰層中の火山豆石
写真2
火山豆石の断面