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枕状溶岩

印刷用ページを表示する更新日:2017年10月23日更新

 丹沢山地は、約1,500万年以上も昔、海底火山の活動によってできた山です。その証拠になるものを酒匂川で見ることができます。それは、枕状溶岩です。大雨による洪水のときに、丹沢山地から大きな岩石やそのかけらが運ばれてきます。人の頭くらいの大きさの岩石が集まったように見えます。これは丹沢山地のもとになった海底火山が噴火して、海底にマグマが流れて固まったものです。
 ところで、海底火山の噴火のとき、海底では水による圧力(水圧)が大きいために、マグマはチューブに入ったねり歯磨き粉を押し出したように流れ出し、何本も重なっていきます。一本一本の柱のようなマグマが、低温の海水に触れると表面は急激に固まりガラス質になります。柱の内部では、マグマ中の火山ガスが外に逃げ出し、小さな空洞が空いた溶岩になります。これらの溶岩が何本も重なった断面は、まるで枕を重ねたように見えるので、枕状溶岩といいます。表面のガラス質の部分は、赤色や白っぽい黄緑色をしています。火山ガスが逃げた空洞を、その後、火山灰などが埋めています。
 このような溶岩の流れ方をするのは、ハワイ火山や三原山火山(伊豆大島)などの火山をつくった玄武岩(げんぶがん)質マグマが、海底に噴出したときです。この岩石を顕微鏡で見てみると、玄武岩に特徴的なカンラン石や輝石(きせき)、斜長石(しゃちょうせき)などの鉱物が入っているのが分かります。

中村 俊文(県立生命の星・地球博物館 学習指導員)

枕状溶岩の画像

枕状溶岩

枕状溶岩の外側部分の画像

赤色:枕状溶岩の外側部分

枕状溶岩の顕微鏡写真の画像

枕状溶岩の顕微鏡写真