夏の酒匂川は、鮎(あゆ)釣りの盛んな季節。そんな河原は、石ころでいっぱいです。河原の石からどんなことがわかるのでしょうか。河原の石は、川が山から運んできたものです。大雨が降ると山が崩れ、川に大きな岩が転がり落ちて運ばれていきます。濁流の中で岩同士がぶつかり合い、細かく割れ、こすれ合い、丸みを帯びた石ころとして現在の河原にたどり着くのです。そこで、河原の石を見れば、その上流にはどんな岩石からできた山があるか想像できるわけです。
大井町の酒匂川の河原の石は、主にどんな山から来たのでしょうか。ひょうたん池付近の河原、1平方メートル中の岩石の個数を調べたところ、丹沢山地から93個、足柄山地から2個、箱根山から1個、富士山から4個でした(全体を100個として再計算)。今後、大井町の酒匂川の河原にどんな岩石があるか1個ずつ、紹介していきます。
中村 俊文(県立生命の星・地球博物館 学習指導員)
酒匂川三角土手付近
河原1平方メートル中の石