酒匂川の河原の石に、緑色と白色のしま模様の入った岩石がときどき見られます。これは、角閃岩と呼ばれる岩石です。角閃岩の中の白い脈は、石英という結晶の粒の集まりです。暗緑色の細長い粒の集まりは、主に角閃石です。角閃石は、太陽の光に反射させると、きれいに黒く光り輝きます。この角閃岩は、マグマの熱と圧力により、もとの岩石が変成されてできた変成岩です。
約500万年前、丹沢山地の深部に、大量の花崗岩質のマグマが入り込んできました。このマグマによる熱や周りの圧力により、マグマの近くにあった岩石や地層は変成され、緻密で非常に固い岩石や、しま模様のある岩石になりました。このように、つくりや含まれる鉱物が変わってしまった石を変成岩といいます。特に、マグマの熱により固くて緻密なつくりをもつ変成岩になったものを、ホルンフェルスと呼んでいます。ハンマーでたたいても火花が出るほどの固さです。
中村 俊文(県立生命の星・地球博物館 学習指導員)
河原の角閃岩
虫めがねで見た様子
顕微鏡で見た様子