篠窪にあるの三嶋神社周辺の森は、町の天然記念物に指定されているだけでなく、かながわの名木100選にも選ばれています。それは、スダジイをはじめ、タブノキ、シラカシ、カゴノキなどの常緑広葉樹、ケヤキ、ムクノキなどの落葉広葉樹、針葉樹のスギが高くそびえ立っているだけでなく、ヤブツバキ、アオキなどの低木、林床にはシャガ、キチジョウソウ、ヤブミョウガ、オオバノイノモトソウなどの下草が繁り、森の階層構造が見られるからです。
特にスダジイは、直径が1m以上で、高さが20m近くある立派なものが多く残っていて、昔から「椎の木森」と親しまれてきました。樹齢は約500年と推定されています。
江戸時代には、矢倉沢往還(現在の国道246号線のもとになった街道)が神社の横を通っていました。現在では道路が整備されて、自動車の往来が頻繁です。しかし、夜になるとフクロウやムササビの声が聞こえてきます。これからも大切にしていきたい森です。
一寸木 肇(おおい自然園園長)
スダジイの巨木
スダジイの実(しいのみと呼んでいます。他のどんぐりと殻斗(かくと)の形状が違います。)