大井町柳から篠窪に抜けるハイキングコースは、中村川の流れに沿って上流へと続き、春の野草観察コースとして知る人ぞ知るすばらしい道です。この時季の圧巻は、道沿いの斜面を覆うヤマルリソウの群落で、コースのあちこちに見つけることができます。
「瑠璃」と言っても、花の色合いは淡青紫色で、時間がたつと淡赤紫色になってきます。葉や茎には細かい毛があり、まるで緑色のベルベットです。
本種はワスレナグサの仲間で、やや湿った丘陵地などの木陰や道ばたで見ることができます。歌や文学に登場するワスレナグサはヨーロッパ原産で、園芸種として導入されています。
一寸木 肇(おおい自然園園長)