根岸山や酒匂川などの木の幹をゆっくりと歩くカマキリを見かけることがあります。これがハラビロカマキリです。名前のとおり、腹部が幅広です。
私たちが結構目にするのはオオカマキリで、庭・田畑・野原などで普通に見かけます。でもハラビロカマキリには、なかなか出会えません。決して数が少ないわけではないのに。どちらかというと、オオカマキリは草地を主な棲(す)みかとし、ハラビロカマキリは木の上を棲みかとしていて、うまく棲み分けができているようです。肉食の昆虫が同じ環境で生息していないのは、必然性があるような気がしています。
ハラビロカマキリの雄の数はとても少ないようで、雌を見ることはあっても、雄の姿を見ることは稀です。それ故、交尾のチャンスが大変少ないのではないかと思っていますが、カマキリにとっては案外そうではないのかもしれません。
酒井 春彦(中井町立井ノ口小学校教諭)
ハラビロカマキリ