夜のウオーキングをしている方に教わり、見に行ったのがきっかけで、毎年ヘイケボタルとの出会いを楽しみにしています。その場所とは、清流を好むゲンジボタルとは違い、人工的な流れの弱い用水路です。
ヘイケボタルは、早いものでは6月の終わり頃から現れ、秋になっても見ることができます。ホタルの幼虫が食べる淡水の貝は、生息場所の用水路や田んぼにかなり見られるので、群れるくらいにホタルが誕生しても不思議ではないと思うのですが、いろいろな要因でそうならないようです。
ヘイケボタルの光は、ゲンジボタルのそれと比べると淡く、ものさびしく感じられます。子どもの時、田んぼの上を飛ぶヘイケボタルを見て、小さな人魂のように思った記憶があります。
夏の風物詩の一つとしてゲンジボタルが挙げられますが、ヘイケボタルは、その存在すら知らない人が多いのではと感じます。しかし大井町には、数は少ないものの毎年命をつないでいるヘイケボタルがいるのです。
大切にしていきたいものです。
酒井 春彦(中井町立井ノ口小学校教諭)
ヘイケボタル