子どもの時、木々の香りが漂う雑木林へ行き、カブトムシやクワガタムシを捕まえた経験を持つ人は多いのではないかと思います。
ところで、この昆虫たちが集まる樹液は、あちこちの木から出るわけではありません。実際にいろいろな雑木林を訪れてみると、何十本もの木のうち、樹液を出している木は多くても数本にしか過ぎません。
そのために、いろいろな種類の昆虫たちがこの限られた木に集合することになり、食事、争い、そして出会いの場となるのです。
樹液は、カミキリムシやボクトウガというガの幼虫などが木を穿ったために出るようになると言われていますが、そのような穴があっても樹液が出ない木もあり、樹液が出るための条件は、そう単純なものでもなさそうです。
写真には、スズメバチとカナブンとハエの仲間が写っていますが、これが時間の経過と共に、メンバーが代わり、樹液に集まる昆虫たちの種類の豊富さに驚かされます。
今年も大井町の樹液広場では、昆虫たちのドラマが展開されることでしょう。
酒井 春彦(中井町立井ノ口小学校教諭)
樹液に集まる昆虫たち