気温が高くなる4月下旬から6月にかけての夜、大井町のあちこちの草むらから単調な大きめの音が聞こえてきます。私の耳には、一つがジーもう一つがジャーと聞こえてきますが、聞く人が違えば、表現も違ったものになることでしょう。両方とも体型は似ていますが、シブイロカヤキリの方がずんぐりしています。
音をたよりに近づいて、ライトを照らしてみると、明るさを気にかけることなく鳴き続けています。葉や茎に止まって、逆さまになって鳴いていることが多く、近くで聞いていると機械の音のようです。
この時期に鳴くのは、多くがこの2種類ですので、初夏を代表する草むらの演奏家といえるかもしれません。
シブイロカヤキリの体は、褐色のみですが、クビキリギスは緑と褐色と赤があって、どうしてこんなに違う色に分かれるのだろうかと思います。
それにしても、ずいぶんと数が少なくなりました。
酒井 春彦(中井町立井ノ口小学校教諭)
シブイロカヤキリ
クビキリギス