日当たりのよい草地で、ツチハンミョウの仲間(雌)に出会いました。全身が濃い紺色で、大きなおなかをしていました。大井町に生息してはいますが、なかなか見ることができない昆虫です。この仲間は、地面の中に数千個もの卵を産みます。孵化した幼虫は近くにある植物によじのぼり、ハナバチがやってくるのを待ち、体に乗り移って巣まで運んでもらいます。そして巣にある蜜や花粉などを食べて成長していきます。 しかし、待っている幼虫のところに、ハナバチが来るという保証はありません。多くの幼虫はハナバチ以外の昆虫などに乗り移り、死を迎えることになります。まさに運任せの他力本願的な生き方で、だからこそ大変な数の卵を産まなければならないのでしょう。もっと楽な生き方を選べばよかったのにと、つい言いたくなります。 なお、この仲間は、体から毒液を出すので、素手でさわるのは、やめましょう。
酒井 春彦(中井町立井ノ口小学校教諭)