初夏に咲く白い花は、日本一の大きさです。モクレンの仲間で、花や葉からは芳香をあたりいちめんに漂わせてくれます。町内の雑木林や斜面で見かけることが多く、大きい葉を広げているので、遠くからでも目につきます。
たくさんのおしべや大きな花弁が散った後、寄り集まっためしべはそれぞれ成長し、長い松ぼっくりのような集合果となります。秋にはそこから橙色の種子を覗かせ、鳥を誘い、種子を散布させていくのです。
地方によっては、この葉で餅を包んだり、味噌をのせて焼いたりして利用します。材は版木や下駄として使われますが、箱根寄木細工では青味がかった部分を活かして木象嵌などに利用されます。
一寸木 肇(おおい自然園園長)
葉を茂らせるホオノキ
ホオノキの花