令和4年度 全国学力・学習状況調査の結果分析について
1 実施状況
実施日 :令和4年4月19日(火曜日)
対象校(学年):小学校(6年生対象)3校、中学校(3年生対象)1校
参加人数:小学校146人、中学校125人、計271人
2 本調査の概要
本調査は、幅広く児童・生徒の学力や学習状況等について把握・分析することを目的としています。今年度も対象児童・生徒に対し、「教科に関する調査」と「質問紙調査」が実施されました。
「教科に関する調査」では、国語、算数・数学、理科が実施され、
(1)身に付けておかなければならない内容や実生活において活用できることが望ましい知識・技能等
(2)知識・技能を活用する力や課題解決のために実践して評価・改善する力等が一体的に問われる内容が出題されました。また、「質問紙調査」では、学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面等に関する内容の調査が実施されました。
3 分析結果
(1) 各教科に関する調査
(ア) 全体的な傾向
各教科における町立学校と県公立学校の平均正答率を比較したところ、小学校では、いずれの教科も「ほぼ同程度(±5%以内)」傾向にありました。中学校では、「ほぼ同程度」もしくは「やや低い(-10%以内)」傾向にありました。
(イ) 各教科の設問別分析(〇、△は県の正答率と比較し顕著な項目)
●小学校
<国語の結果分析>
○学年別漢字配当表に示されている漢字を文の中で正しく使う。〔3問中2問〕
〇漢字や仮名の大きさ、配列に注意して書く。
△文章全体の構成や書き表し方などに着目して、文や文章を整える。
△人物像や物語の全体像を具体的に想像する。
<算数の結果分析>
○被乗数に空位のある整数の乗法の計算をすることができる。(数と計算)
○示された場面を解釈し、除法で求めることができる理由を記述できる。(数と計算)
△伴って変わる二つの数量が比例の関係にあることを用いて、未知の数量の求め方と答えを記述できる。(変
化と関係)
△正三角形の意味や性質を基に、回転の大きさとしての角の大きさに着目し、正三角形の構成の仕方について
考察し、記述できる。(図形)
<理科の結果分析>
○問題を解決するために必要な観察の視点を基に、問題を解決するまでの道筋を構想し、自分の考えをもつ
ことができる。(「生命」を柱とする領域)
○観察で得た結果を、問題の視点で分析して解釈し、自分の考えをもつことができる。「地球」を柱とする
領域)
△昆虫の体のつくりを理解している。(「生命」を柱とする領域)
△自分で発想した予想と、実験の結果を基に、問題に対するまとめを検討して、改善し、自分の考えをもつ
ことができる。(「粒子」を柱とする領域)
△実験で得た結果を、問題の視点で分析して、解釈し、自分の考えをもち、その内容を記述できる。(「エ
ネルギー」を柱とする領域)
調査結果に基づく分析と今後の方向性(小学校) [PDFファイル/105KB]
●中学校
<国語の結果分析>
○文脈に即して漢字を正しく書く。
○漢字の行書の読みやすい書き方について理解する。
△自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫して話す。
△表現の技法について理解する。
△場面と場面、場面と描写などを結び付けて、内容を解釈する。
<数学の結果分析>
○多数の観察や多数回の試行によって得られる確率の意味を理解している。(データの活用)
○データの傾向を的確に捉え、判断の理由を数学的な表現を用いて説明することができる。(データの活用)
○箱ひげ図から分布の特徴を読み取ることができる。(データの活用)
△目的に応じて式を変形したり、その意味を読み取ったりして、事柄が成り立つ理由を説明することができる。
(数と式)
△証明の根拠として用いられている三角形の合同条件を理解している。(図形)
△筋道を立てて考え、事柄が成り立つ理由を説明することができる。(図形)
<理科の結果分析>
○化学変化に関する知識及び技能を活用して、水素の燃焼を分子のモデルで表した図を基に化学反応式で表す
ことができる。(「粒子」を柱とする領域)
△未知の節足動物とアリの外部形態を比較して共通点と相違点を捉え、分類の観点や基準を基に分析して解釈
できる。(「生命」を柱とする領域)
△力の働きに関する知識及び技能を活用して、物体に働く重力とつり合う力を矢印で表し、その力を説明でき
る。(「エネルギー」を柱とする領域)
△考察の妥当性を高めるために、測定値の増やし方について、測定する範囲と刻み幅の視点から実験の計画を
検討して改善できる。(「エネルギー」を柱とする領域)
調査結果に基づく分析と今後の方向性(中学校) [PDFファイル/114KB]
(2) 児童・生徒質問紙による調査
(ア) 全体的な傾向
小・中学生ともに、「平日1日あたりのゲーム時間が3時間以上」・「平日1日あたりのスマートフォン等でのSNSや動画視聴が3時間以上」の項目では、県と比較して高い傾向であったのに対し、「平日・土日1日あたり家庭での勉強時間が2時間以上」の項目では、県と比較して低い傾向にありました。
小・中学生いずれも、肯定的回答の割合が高かった項目として「毎朝、同じくらいの時刻に起きている」があげられ、安定した生活リズムを送っていることが伺えます。また、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う」と「人の役に立つ人間になりたい」もあげられます。日頃より道徳性の育成につなげる教育活動の成果であるとみられ、今後も継続して取り組んでいきます。
一方で、「地域の大人に、授業や放課後などで勉強やスポーツを教えてもらったり、一緒に遊んでもらったりすることがある」項目では、小・中学生ともに肯定的回答の割合が低い傾向でした。
(イ) 校種別の分析(〇、△は県の肯定的回答の割合と比較し顕著な項目)
● 小学生
○「将来の夢や目標を持っている」
○「今住んでいる地域の行事に参加している」
○「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたり することができている」
△「自分には、よいところがあると思う」
△「読書は好きである」
△「地域や社会をよくするために何をすべきかを考えることがある」
●中学生
〇「読書は好きである」
〇「1、2年生のときに受けた授業で、PC・タブレットなどのICT機器を、週 1回以上使用した」
△「将来の夢や目標を持っている」
△「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦している」
△「自分と違う意見について考えるのは楽しい」
△「家で計画を立てて勉強をしている」
児童・生徒質問紙による調査結果分析[PDFファイル/104KB]
最後に、子どもたちがさまざまな体験や学習を通して、「生きる力」を育んでいくためには、学校や家庭、地域の連携が大変重要です。引き続き、町民の皆さまにも学校教育や家庭教育に対しての御理解・御協力をお願いいたします。