令和6年度 全国学力・学習状況調査の結果分析について
1 実施状況
・実 施 日 :令和6年4月18日(木曜日)
・対象校(学年):小学校(6年生対象)3校、中学校(3年生対象)1校
・参 加 人 数 :小学校107人、中学校118人、計225人
2 本調査の概要
本調査は、幅広く児童・生徒の学力や学習状況等について把握・分析することを目的としており、今年度も「教科に関する調査(国語、算数・数学)」と「質問調査」が実施されました。 調査問題では、学習指導要領で育成を目指す、知識及び技能や思考力、判断力、表現力等を問う問題が出題され、各大問において「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善のメッセージが発信されました。なお、「質問調査」では、学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面等に関する質問項目において、全面的にオンラインによる回答方式で実施されました。
3 調査結果の全体的な傾向
(1) 各教科に関する調査
各教科における県公立学校の平均正答率と比較したところ、小学校の国語・算数、中学校の国語において「ほぼ同程度(±5%以内)」、中学校の数学において「やや低い(−10%以内)」という結果でした。
国語では、自分の考えが伝わるように表現を工夫することや、目的に応じて必要な情報に着目して要約することに課題がみられました。書く活動においては、目的に応じて、事実と感想、意見を区別して書くなど、書き表し方を工夫して自分の考えを伝えるように指導の充実を図っていきます。また、要約については、対象や目的によって内容が異なることや基になる文章の内容を正確に伝える必要があることを理解した上で、適切に要約することができるように指導の充実を図っていきます。
算数・数学では、基本的な知識や基礎的な技能については一定の定着がみられるものの、知識・技能を活用する問題については課題がみられました。また、記述式問題において、数学的な表現を用いて理由や考えを説明することを苦手とする児童・生徒が多いことから、日頃の授業において、思考力・判断力・表現力等の育成に焦点を当てた学習を行い、自分の考えをどう表現すればよいか考える機会を積み重ねることに努めていきます。さらに、その学習過程において、まずは不完全な表現であってもできた部分を積極的に認め、プラスの評価を心がけていきます。
(2) 児童・生徒質問紙による調査
小・中学生ともに、「総合的な学習の時間における学習活動への取組み」の項目において、肯定的回答の割合が県平均より高いことから、課題設定から課題解決へと主体的な学びが定着しているとともに、発表などの活動をとおして、協働的な学びへもつなげられていることが伺えます。引き続き、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善に努めていきます。また、「道徳の授業における学習活動への取組み」の項目においても、肯定的回答の割合が県平均より高い傾向にありました。各校では、日頃より道徳性の育成に努めているとともに、講師を招聘した授業研究会をとおして、道徳の授業づくりに取り組んできた成果であるとみられます。今後も「考え、議論する道徳」の実現へ向けて、道徳教育の推進に努めていきます。
一方で、「休日の勉強時間」の項目において、「1時間より少ない」または「全くしない」と回答した割合が小・中学生ともに県平均より高い傾向にありました。また、「授業時間におけるICT機器の使用頻度」の項目において、県平均より低い傾向にありました。この点を踏まえて、タブレット等を活用した家庭での学習も視野に入れて、ICT機器のよりよい活用事例を共有しながら家庭・保護者との連携のもと学習習慣の確立を目指していきます。その他、「自分の考えがうまく伝わるように工夫して発表している」の項目において、小・中学生ともに肯定的回答の割合が県平均より低い傾向にありました。現在、授業ではICT機器を活用した発表活動が多く行われていることから、スライドを作成する際には資料の提示の仕方や文章表現、話の組立てなどの工夫に焦点を当てて指導の充実を図っていきます。
※結果分析の詳細はこちらからご覧ください。