地域猫活動をご存知ですか？

猫は、「動物の愛護及び管理に関する法律」により愛護動物と定められ、みだりに捕獲し処分することが禁じられています。
一方で毎年数多くの飼い主のいない猫（野良猫）が生まれ、過剰に繁殖した猫によるふん尿やごみ荒らしなど、生活環境への被害に関する苦情も後を絶ちません。
こうした猫の問題をなくしていくための取り組みとして「地域猫活動」についてご紹介します。

1　地域猫活動とは？

地域にお住まいの皆さんが主体となり、野良猫に避妊去勢手術をするなど適切な管理を行い、野良猫の数を減らすことで野良猫問題を解決し「住みよい地域」をつくるための活動です。

※地域猫とは・・・
　地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫。
　適切に管理することで、これ以上数を増やさず、一代限りの生を全うさせる猫をさします。

2　野良猫にエサをやらなかったらいいのでは？

野良猫にエサをやる人がいなくなっても、猫は餓死を待ちません。ゴミをあさったり、他の地域に移動したり、その地域の住民に迷惑をかけることになります。

3　誰が活動をするの？

活動を行おうとする、その地域にお住まいの人が主体となって行います。
「こんなことを誰がするのか」「自分はしたくない」と思う人は少なくありません。
しかし、地域の中には「動物のためなら」「これ以上、野良猫が増えないなら」「住みよい地域になるなら」などと協力してくれる人はいます。
このような人を地域で募り、集まった人を中心に活動を始めていきます。
当然、活動を上手く進めるためには、近所の人の理解を得られるような配慮が必要です。

4　具体的には何をするの？

（1）猫の避妊去勢手術を行う（TNR活動）

猫は年に2～3回、1回に4～6頭の子猫を生むと言われています。生まれた子猫も生後半年で出産するようになります。
野良猫の数を減らすためには、避妊去勢手術が必要です。
『TNR活動』は野良猫の繁殖を抑え、今以上に野良猫が増えないようにすることを目的に、捕獲（Ｔｒａｐ）し、避妊または去勢手術（Ｎｅｕｔｅｒ）をして元のテリトリーに戻す（Ｒｅｔｕｒｎ）活動のことです。

避妊去勢手術の支援について

神奈川県では飼い主のいない猫の避妊手術または去勢手術支援事業を行っています。
飼い主のいない猫について〈神奈川県ホームページ〉＜外部リンク＞

【目的】
県内（横浜市、川崎市、相模原市及び横須賀市を除く）に生息する飼い主のいない猫の避妊手術または去勢手術に係る支援を行い、飼い主のいない猫を減らすことにより、糞尿被害、路上などで負傷する猫の数などを減らすことを目的としています。

【支援対象の猫】
飼い主がいない猫※で、避妊手術または去勢手術が実施可能な猫（おおむね6カ月齢以上）
※飼い主がいない猫とは、所有者がいない猫をいいます。ペットの猫は対象外です。

【支援対象者】
次の目的などを共有している2名以上のグループが支援対象です。
・飼い主のいない猫を減らすという活動目的を共有していること
・活動地域における飼い主のいない猫を適正管理することができること

〈参考〉

・飼い主のいない猫の避妊手術及び去勢手術支援事業に係る申請を希望する方へ「手引き」＜外部リンク＞​

・飼い主のいない猫の避妊手術・去勢手術の支援を希望する方へ「チラシ」＜外部リンク＞

耳のV字カット

避妊去勢手術を施した猫の耳には小さくV字カットを入れてもらいます。
この猫はすでに施術済であることのしるしであり、子孫が増えることのない一代限りの猫であることの証明です。

（2）適正なエサやりをする

エサを与える時間と場所を限定します。食べ残しを放置するとカラスやハエが集まり、あたたかい季節には腐敗による悪臭のもととなります。
食べ残しはすぐに片付け、置きエサは絶対にしないでください。

（3）ふん尿の始末をする

エサ場の周辺で地域の合意が得られた場所にトイレを設置します。
トイレの掃除は活動している人で行います。

（4）地域住民の理解を得る

地域猫の活動の実施には、周辺住民の理解が必要です。
理解の無いまま一方的に活動すると、「無責任にエサを与えて猫が増えて困る」「捕まえて虐待しているのではないか」と誤解され、住民同士のトラブルの原因になりかねません。
そのため、まず地域の人々に十分に趣旨を説明し、理解を得た上で活動を行う必要があります。

5　猫の飼い主さんにお願い

野良猫を増やさないために、以下のことを心掛けてください。
（1）屋内飼育をする。
（2）避妊去勢手術をする。
（3）首輪をして身元の表示をする。
（4）終生飼育をする（捨てない）。